恩田陸ワールド全開です。生徒たちが三月の国と呼ぶ、三月に始まり三月に終わる全寮制の監獄のような中高一貫の学園。三月以外に来た転校生は学園を破滅させるという伝説があるこの学園に二月の最後の日にやってきた理瀬の周りで起きる様々な不思議な出来事。果たして真相は?という感じの話です。
読む前に『三月は深き紅の淵を』(恩田陸 講談社文庫)を読み返しておけばよかったです。
恩田陸独特の閉鎖的閉塞的空間。そんな環境はありえないと思っていても、読んでいるうちについ引き込まれてしまいました。
最初と最後での理瀬というキャラの豹変ぶりは、やられたぁという感じです。
天使の皮をかぶった悪魔のヨハンはなんとなぁくマフィア関係なのだろうと、途中から思ってましたが、理瀬とそこまで関わりがあるとは思ってませんでした。
その後の理瀬とヨハンの話も是非とも読んでみたいです。
黎二は好きだったんですが、豹変前の理瀬と淡い恋心を抱きあった時点で、黎二って最後に死んじゃいそうと思ってました。恩田さんってわりとそういう展開が多いかなと。(苦笑)
恩田さんの小説は、読んでる間はもとより、読み終わった後のなんともいえない余韻がとても好きです。この作品もそういう余韻をたっぷり味わえました。
しかし、『三月は深き紅の淵を』がここでも登場してくるとは思ってもみませんでした。そして、『三月は深き紅の淵を』に理瀬と憂理が登場してることは、解説を読むまで思い出しませんでした。そんなこととわかっていれば、『麦の海に沈む果実』を読む前に『三月は深き紅の淵を』を読み返してたのになぁ。ちょっと残念。